そば粉は多いほうが美味しいってホント?


今日はそば粉の配合について、そばの立場から語ってみたいと思います。
美味しいそばの基準って何だと思いますか?
まず、大前提として、お店で食べる「手打ちそば」と、自宅でつくって食べる「家庭用そば」では比べる土俵が違うので、今回は、家庭で食べるそばをベースに考えたいと思います。
そばを扱っていると必ず聞かれるのが「この蕎麦、何割?」です。
イベントでそば打ちをしていても
「何割で打ってんの?」って
聞かれます。
「5割です」
「7割です」って答えると
「へぇ~、低いね・・」
とか
「十割じゃないんだ・・」って
離れていかれますが ・・
「八割です」
「十割です」っていうと
「美味しそうだね!」
「やっぱり、そばは十割だよね!」などと、
反応が全く違います。
果たして、そばは配合が多いほうが美味しいのでしょうか?
ざっくり、そば粉のイメージを独断と偏見で表にしてみました。
こんな、感じ。
1番粉 | 2番粉 | 3番粉 | 末粉 | |
色 | 白 | ⇒ | ⇒ | 黒 |
風味 | 弱い | ⇒ | ⇒ | 強い |
栄養 | 低い | ⇒ | ⇒ | 高い |
食感 | つるつる | ⇒ | ⇒ | もそもそ |
更科そばと呼ばれているそばは、そばの実の中心部分の「1番粉」を使っているから色が白くつるつるした食感。
外側のそば粉を使うと風味は強くなるけど食感がモソモソしてきます。
出雲そばに使う
「挽きぐるみ」や
「一本挽き」
などと呼ばれる製法は、そばの実を丸々挽き込むため
1番粉から末粉までが全部が挽き込まれたそば粉のことです。
どちらかというと、食感はモソモソするのですが、風味は最高です。
同じ十割そばでもどの部分の粉を使うのかで、風味や食感が異なるのがわかりますよね。
さらに、ここに加わるのが「つなぎ」です。
一般的には「小麦粉」をつかいます。
小麦にはグルテンが含まれ、「モチモチ」や「つるつる」といった食感の特徴があります。
例えば、そばの外側に近い3番粉に対し、小麦粉をたっぷり加えてそばをつくると、
風味もありながら、つるつる感もあるそばが出来上がります。
単純に、
そば粉が多いと「モソモソ」するし、
小麦が多いと「つるつる」する。
本田商店がつくるなまそばは基本5割そば。
自家製粉をした、挽きたて、挽きぐるみのそば粉50%と小麦粉50%の5割です。
(※商品によって異なります。)
様々な、配合を模索しながら、風味、食感がちょうど良いということで今に至っています。
当然、つるつるした食感が良い!という方には3割そばがおすすめですし、
そばの風味が一番!という方には八割や十割そばがおススメです。
そばは、嗜好品といわれ、個人の好みで左右します。
そこに、甘口、辛口などつゆの好みも加わるので・・
「そば」って、一言で言っても奥が深いんですよね。
原料にこだわり、そばや小麦の産地や等級が違えば、原料の仕入値も大きく違います。
また、それがそばの楽しみでもあります。
まだまだ、そばについて語りつくせませんが、
これからも、美味しいそばがお届けできるように、応援よろしくお願いします!
本田屋そばの食べ比べ
3割そば
5割そば
8割そば
10割そば
※そば粉の配合も違えば、そば粉、小麦粉の産地もそれぞれ異なります。
